介護保険請求の返戻とは?主な理由と対処方法を知っておこう
先月に比べ返戻(へんれい)が減った増えたと、皆さんの職場の上司や管理者がまじめな顔で話し合っているのを聞いたことはありませんか?
「そもそも返戻ってなに?」
「返戻されると何かまずの?」
「返戻される理由は?」
と疑問を持たれる方も少なくないと思います。
介護給付費の請求を受けた国保連合会(国保連)は、内容をしっかりと審査したのち、不備がある場合に、請求元の事業者へ請求明細書等を戻す処理を行います。つまり「不備があったため支払い処理ができませんのでいったんお返しします」というのが返戻です。
返戻になれば、事業所に支払いが行われないことになります。返戻が多いと職員の給与や備品購入などが滞り、最終的には経営の継続に影響が出てきます。
ここでは介護保険請求の返戻について、その意味や目的、返戻理由、対処方法について解説します。
介護報酬の請求と支払の流れ
サービスを提供するとその対価として、国保連からは、請求した月1か月分の支払いを受けることができます。
具体的には、事業者はサービス提供した月の翌月10日までに「介護給付費請求書」と「介護給付費明細書」を作成し、国保連へ提出します。居宅介護支援事業所も同じように「給付管理票」と「サービス計画費」を提出します。
書類は国保連で一次審査・資格審査を行った後、問題がなければ、上限審査が行われます。適切なものであることを確認した後、支払いが行われます。
│ケアマネジャーの給付管理業務と給付管理票
ケアマネジャーが行う給付管理とはどのような業務なのでしょうか。
ケアマネジャーが介護サービス費を国保連に請求する際にそれに関連した一連の業務が給付管理業務です。
例えば、利用者は月に利用できるサービス範囲が要介護度によって限度設定されています。
ケアマネジャーはその範囲に収まるケアプランを調整し事業者にはサービス提供票を、利用者にはサービス利用票を渡します。
各事業者はケアマネジャーから渡されたサービス提供票をもとにサービス提供し、その対価を受けるために国保連に請求します。
そして国保連は、各事業者から送られてきた請求内容を精査しますが、その際に必要になるのが居宅介護支援事業所から国保連に送付する給付管理票です。
給付管理票は、どの事業者が、どのサービスを、どれくらいの量を提供したかを記録したもので、国保連は各事業者から送付される請求内容と給付管理票の整合性をチェックすることで、適切なものであるかを確認することができます。
この給付管理票はケアマネジャーが作成し、翌月10日までに国保連に送付します。
給付管理票の記載に誤りがあったり、提出期限に間に合わず遅れてしまった場合、各事業者に迷惑をかけることになります。当然ではありますが、書類内容の確認の徹底やスケジュール管理には注意しなければなりません。
返戻とは
介護給付費を請求したものの、利用者の資格や事業所・施設の記載事項、帳票の記載方法などの内容に不備があったため国保連から介護給付費請求明細書が戻されることを返戻(へんれい)と言います。
返戻の通知は審査月の翌月5~6日頃に届きます。なお、不備があった場合にすべて返戻扱いになるかというとそうではありません。
在宅サービスの明細書と給付管理票の整合性を確かめ、明細書のサービス種類ごとの合計請求単位数と計給付管理票の計画単位数に相違がある場合など、国保連で自動的に調整され一部「査定」により、「給付計画単位数」へ減単位される場合があります。
│返戻の対処方法
不備があった明細書等については内容をしっかりと確認し、必要個所を修正して再度請求します。ここで注意が必要なのが、返戻となった紙の明細書等は使用できないという点です。
通常の提出方法と同様に伝送又は磁気媒体にて請求を行います。なお、返戻となった明細書は再請求しない限り、支払いは発生いたしません。
返戻の扱いとなる主な理由
では、返戻はいったい何が原因なのでしょうか。データ内容や入力の誤り等、返戻には様々な理由があります。主な理由について以下に紹介します。
│利用者の明細書が重複している
同じ月に、同じ利用者の請求明細書が複数枚提出された場合は、最初の請求明細書が支払いの対象となり、2回目以降提出されたモノ全て返戻となります。
しかし、1回目の請求内容を訂正するつもりで、2回目以降提出する場合もあるかと思います。その際は、請求の取下げを依頼し、介護給付費過誤決定通知書で取下げの結果を確認してから再請求します。
│利用者が要介護者等に該当していない
利用者が月の途中で要介護認定を受けた際や、資格喪失した際など要介護者等に該当していない場合には返戻となります。利用者の受給者証等で認定日や喪失日の確認をしっかり行うことが大切です。
│給付管理票の問題
請求明細書のサービス種類が給付管理票に入力されていない場合、もしくは、管理票が未提出の場合に返戻の扱いとなります。管理票が何らかの不備で返戻された場合、サービス事業所の明細書の上限審査は出来なくなります。
ケアマネジャーが作成した管理表に誤りがあれば、事業者に支払いがなされないためケアマネジャーの責任は重大です。
管理票の未提出による返戻の取り扱いは、国保連による判断で一定期間保留扱いされることもあります。保留期間中に、該当の管理票を提出すれば、提出された審査年月で保留分が支払われます。
まとめ│ミスを防ぎきれない請求事務業務への対応
今回、介護給付費請求の「返戻」について、詳しく解説しました。
返戻は記載内容の不備による請求明細書等の差し戻しといったケアレスミスによるものがほとんどです。介護報酬は、慣れない人にとって複雑と感じるでしょうし、サービスの種類と単価を示す項目の数多さで煩雑になりやすいでしょう。
利用者へのサービス提供を事業所の少ない人数でまわしながら、期限内で正確性を求められる請求事務業務。
書類内容の確認の徹底やスケジュール管理にどんなに注意を払っていてもミスを防ぎきれないことは多々あります。「忙しくて細かな請求業務に手が回らない」、「間違いが多い」といった悩みは尽きません。
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