介護保険請求事務はどんな仕事? 資格・向いている人・難しさを解説
介護保険請求事務は、介護事業を営んでいる施設や事業所にとってなくてはならない仕事です。
資格の有無に関係なく、責任は重く経営におけるインパクトが大きい業務であることに間違いはありません。
今回は介護保険請求事務について、仕事内容や資格、向いている人、仕事の難しさについてご紹介します。
介護保険請求事務の仕事内容
介護保険請求事務は、介護サービスを提供する介護事業所等の事務業務の一部で、介護事業所の収入に係る非常に重要な業務です。まずは、介護施設等の事務職である介護事務について簡単にご説明します。
介護事務とは
介護サービスを提供する事業所や施設等で行う事務業務全般のお仕事です。介護保険サービスはもちろん介護に関する事務に加え、受付や電話対応、労務管理から備品購入まで事業所等が円滑な業務をおこなえるようバックアップする役割を果たします。
事業所によって仕事内容は異なりますが、人手が足りない場合は、入浴介助や利用者さんの送迎などフォローに回ることもありデスクワークだけと決めつけておかないほうがよいでしょう。
介護事務の中でもメインとなるお仕事は介護保険における請求事務になります。
│介護保険請求事務とは
介護サービスを提供した分の介護サービス利用料は、利用者さまと国民健康保険連合会(国保連)に請求します。この請求業務を一手に担うのが介護保険請求事務です。
介護サービスを提供した月の翌月10日までに「介護給付費明細書」と呼ばれるレセプトを作成します。期限が決められているため月末から月初は多忙を極め、大忙しです。
売り上げに直接影響する業務であるため、締め切りがあるなかでスピードと丁寧さが求められるのが特徴です。
│介護事務の主な就職先とは
主な就職先は、介護サービスを提供している事業所や施設になります。
例えば下記のような職場が考えられます。
- デイサービス
- デイケア
- 訪問看護、介護
- グループホーム
- 居宅介護支援事業所
- 介護老人福祉施設
- 有料老人ホーム
- 介護老人保健施設
│介護事務で求められるスキル
経営を支える重要な業務である保険請求業務では、レセプトを作成するための方法や介護保険制度に関する深い知識が求められます。
資格がなくても行うことができますが未経験者にとって難易度が高く苦労される方も多くいらっしゃいます。
レセプトの作成にはパソコン操作が欠かせませんので基本的な操作は最低限必要になります。また、来客や電話対応、医療機関関係者や利用者さまとそのご家族さまなど、多くの人と関わりを持つため、人柄はとても大切で、コミュニケーションスキルが求められます。
介護保険請求事務に役立つ資格は?
介護保険請求事務を行うために必ずしも資格は必要ありませんが、講座を通じて資格取得を目指すことによって介護保険制度の専門的知識を体系的に学ぶことができます。
また資格を有していると、就職に有利になることがあります。
代表的な資格としては以下の通りです。
- 介護事務管理士(JSMA技能認定振興協会)
- ケアクラーク(日本医療教育財団)
- 介護報酬請求事務技能検定試験(日本医療事務協会)
他にも民間で運営しているさまざまな介護事務資格があります。
通学や通信どちらかで学べたり、学習期間や内容を選ぶことができたり、どれを取得しようか悩んだ時には取得にかかる期間や費用、特徴をおさえ、比較サイト等を活用しながら検討されることをお勧めします。
介護保険請求事務に向いている人
介護保険請求事務においても、人によって向き不向きががあります。ここでは介護保険請求事務に向いている人の特徴をご紹介します。
│介護や福祉の仕事に対して熱意がある
仕事内容が介護保険請求のみという事業所は多くありません。介護現場を支える一員として、介護職やケアマネ、その他専門職とのかかわりも多く、介護の重要性や必要性を十分に理解した姿勢で仕事に取り組むことが重要です。
介護や福祉に対する熱意は、コミュニケーションを豊かにし円滑な業務する上で欠かせません。
│数字の扱いが得意
介護報酬請求事務では、介護を提供し、その場で利用料金の受け渡しを行うわけではなく、1か月の利用料を利用者ごとに計算して月締めで請求する仕組みとなっています。
介護サービス費にはそれぞれ細かく点数が決められているため、多くの数字に触れることになりますので、数字の扱いが得意な方は向いていると言えるでしょう
│期限内に仕事を終えられる
介護保険請求事務をおこなう際に注意が必要なのが、仕事を期限内に終えることです。
なぜなら、実施した介護サービス費は、実施した翌月1日から10日の間に国保連に請求しなければならず、時間にルーズだと期限に間に合わないためです。
介護保険請求は経営に影響があり、非常に責任が大きいうえに、スピードと正確性が求められる仕事です。時間管理が得意で期間内に仕事を終えられる人は向いているといえます。
介護保険請求事務の難しさ
介護報酬の請求は非常に大きな責任を伴うことをご説明しました。決められた期間内に正確な請求を行わなければ支払いを受けることができません。
支払いを受けることができないと職員の給与が払えない、必要な備品を購入できないといった状況を招き、経営そのものが成り立たなくなってしまいます。
このような介護保険請求事務には「難しい」というイメージがあるかもしれません。ここでは、介護保険請求事務の難しさについて具体的にご説明します。
│介護保険制度の知識が求められる
介護報酬請求やレセプト作成には介護保険制度の知識が求められます。介護保険制度のルールに従い介護報酬を請求するため、基本的な知識が伴っていないと、間違った請求をしてしまう可能性があります。
さらに、介護保険制度は3年に1度改定され、新しい情報が追加されたり修正が加わったりします。その度に知識をアップグレードしなければならず、ついていくのは大変です。
│ミスをすると周りに迷惑をかけてしまう
介護報酬の請求業務でミスをしてしまうと、入金が遅れてしまうことになります。そのため、職場の資金繰りに影響を与えてしまい、関係している全ての人に迷惑をかけてしまうことになります。
決められた期間に正確な請求業務を行わなければならないため、ミスが許されない仕事といえます。
│繁忙期に残業が増えることも
月末から月初めはもっとも忙しくなる時期で残業だけでなく休みが取りにくい可能性があります。
月初に連休のあるゴールデンウィークや年末年始も出勤して作業をしなければならないことも多々あります。
│働く施設によってはデスクワーク以外の仕事もある
介護報酬請求事務がメイン業務ではありますがそれだけが仕事というわけではありません。
施設の規模や人員配置数によって仕事の範囲は異なりますが、介護スタッフの人員不足を理由に、介護業務と兼務する等デスクワーク以外の仕事を頼まれることもあります。
介護保険請求ソフトでできること
介護保険請求ソフトは、介護事業者が介護報酬を国保連に請求する際にレセプト業務の負担を軽減してくれる下記のような機能が備わっています。
- 利用者情報の管理
- ケアプランの作成
- アセスメント・モニタリングの管理
- 日々の介護サービスの記録
- 利用者への請求書作成
- 介護保険請求(国保連伝送)
- 売上・入金の管理
- 介護職員の勤務予定を管理
- 介護職員の給与を管理
業務の効率化を目的に多くのメーカーが介護ソフトを出しており、国保連請求のみに対応したシンプルなものの他にも様々な機能を備えたソフトがたくさんあります。
また、介護ソフトにはインストール型やクラウド、ASP型のソフトがあります。それぞれにメリットやデメリットはありますが、複数人で同時請求業務を行うことのできるクラウド、ASPタイプがお勧めです。
介護保険請求ソフトについては、「介護保険の請求代行業者がおすすめする介護保険請求ソフト5つ」の記事で詳しく解説しています。
介護保険請求事務の代行サービスとは
毎月欠かさず行わう必要がある国保連への請求事務を遅らせるわけにはいきません。月末から翌月10日までは非常に忙しくなり、多くの時間を請求業務に費やさなければいけないため本来業務への注力が難しくなります。
また、管理者以外の誰か担当者がひとりで請求業務を行っている事業所は少なくありません。その担当者が退職してしまうと請求業務ができなくなってしまうというリスクをかかえており、対策が必要です。
保険請求の代行サービスを活用すれば、本来の業務に力を注げるようになり、急に担当者がいなくなっても請求業務に支障が出ないような体制を構築できます。コストも安く、経費を削減でき、給付請求に関する相談事にも乗ってもらえる代行サービスがおすすめです。
介護保険請求事務の代行サービスについては、「何個当てはまる?介護保険の請求代行サービスを使うべき事業所の特徴4つ」の記事で詳しく解説しています。
まとめ
介護保険請求事務の仕事についてご紹介しました。毎月欠かさず行う請求事務は非常に煩雑で負担が多くかかる作業であることに間違いはありません。
現場スタッフの負担軽減を図り本来業務に専念してもらいたいと考えていたり、請求業務の属人化を防ぎ、リスク管理を行いたいと考えていたりするのであれば、保険請求業務の体制を一度見直してみることをおすすめします。
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