介護のレセプト業務とは? 請求と支払の流れ、請求のポイントを解説
レセプト業務は介護事務のなかでももっとも重要な業務の一つです。介護事業所や介護施設の収入を支える大切な仕事です。
レセプト業務を行うためには専門的な知識とスキルが必要になるため、介護保険制度や介護保険請求について、しっかりと理解を深め、業務に携わることが望ましいといえます。
ここでは、介護のレセプト業務の請求と支払いの流れ、請求のポイントについて解説します。
介護のレセプト業務とは?
介護事業所や介護施設で働いていると、一度はレセプトという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
レセプトと聞いて、「請求して支払いを受けること」「売り上げに影響する大切な作業」となんとなく認識していても、いつ、どこに、どうやって請求し、いつ支払いを受けているのかよく知らない人も多いのではないでしょうか。
レセプト業務について基本的な事柄を確認しておきましょう。
│月1回締め切りに追われるレセプト業務とは
利用者は介護サービスを利用すると費用がかかります。事業所や介護施設ではこの費用を請求することになりますが、原則1~2割を利用者へ、残りの9割は介護給付費として国(以下国保連)に請求します。
この国保連への請求業務を一般的に「レセプト業務」と呼んでおり、サービス提供月の翌月10日までに請求しなければ支払いが行われません。
レセプト期間中は通常業務をこなしながらのレセプト提出準備をしなければならないため、毎月この時期はとても忙しくなります。
│介護報酬の請求と支払の流れ
国保連への請求は、事業所や介護施設で請求データを作成し提出する流れになります。
事業所で準備するのが「介護給費請求書」と「介護給付費明細書」です。居宅介護支援事業所では「給付管理票」と「居宅介護支援介護給付費明細書」を作成します。
請求の流れは、サービスを提供した月の翌月1日~10日までの期間に作成した請求データを国保連に提出します。国保連で審査を行った後、問題がなければ支払いが行われます。
請求や支払いのスケジュールは、毎年、各都道府県の国保連から年間の日程スケジュール表が掲示されているので確認しておきましょう。
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レセプト業務で扱う介護給付費請求書と介護給付費明細書
サービス提供事業所が国保連へ提出する請求データには、介護給付費請求書と介護給付費明細書の2種類あり、請求業務には必ず必要となる書類です。
介護給付費請求書は、サービス件数や単位数を集計したもので、介護給付費明細書は、利用者ごとの介護給付費の内訳(本体報酬や加算)を保険者や利用者への請求額として細かく記載されたものとなっています。
作成した請求データは、原則インターネットまたは電子媒体での請求となっており、最近では、介護ソフトを使ってインターネット経由で国保連に送信する方法が主流となっています。
居宅介護支援事業所の場合は給付管理票と介護支援費請求明細書等の作成と送付を行います。給付管理に誤りがあると、サービス提供事業所に支払いが行われず迷惑をかけてしまうため、細心の注意が必要です。
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レセプトの返戻とは
国保連に請求を行っても請求内容に不備があった場合、請求元の事業所に請求明細書等が戻される処理が行われます。これを返戻と言います。
返戻があると、事業所に支払いは行われませんので、その月の売り上げは少なくなります。返戻には様々な理由がありますが、データ入力の誤りや重複請求などケアレスミスによるものがほとんどです。
不備のあった箇所をしっかり確認し修正したうえで再度請求することとなります。再請求しない限り、支払いはされませんので注意が必要です。
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月遅れ請求とは
基本的にはサービス提供月の翌月10日までに請求しなければいけませんが、何らかの理由で請求できないといった場合があります。
期日を過ぎてもそれ以降のどこかの月で請求をすれば支払いを受けることができる月遅れ請求という方法があります。
月遅れ請求となる主な理由としては、返戻として戻ってきた場合や利用者の介護認定結果が出る前からサービスを実施した場合、介護度の変更や更新申請が間に合わなかった場合などがあります。
介護報酬請求には、2年間という時効があります。再請求しないままにしておくと時効で再請求できる権利が消滅してしまうので注意が必要です。
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月途中で要介護状態区分が変更になった場合
すでに介護認定を受けていても、疾病や病気の発症、思いもよらないケガで心身の状態が著しく変わってしまったら、現状に応じた区分変更を申請することができます。
月の途中で区分変更を申請する場合、結果がわかるまで請求はできません。請求のタイミングは結果が出た後になります。
さらに、当該サービスを行った時点での介護度が適用されるため、判定結果が出た後の請求方法の取扱には注意が必要です。
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レセプト業務に資格は必要?
レセプト業務は、介護事業収入に関わる非常に重要な業務であり、初心者が簡単に行える作業ではありません。
締め切りがある中で正確さとスピードが求められ、数字の扱いが得意であったり、時間管理が得意で期間内に完結できたりする人は向いているかもしれません。
レセプト業務に必要な資格はありませんが、介護報酬請求やレセプト作成に必要な介護保険制度の知識は必要になります。
資格取得のための講座を通じて介護保険制度の専門的知識を体系的に学んでおけば、後々業務に生かすことができるのでお勧めです。
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まとめ│レセプト業務は負担やストレスが集中しやすい
レセプト業務は毎月欠かさず行い、丁寧さとスピードが求められるので担当者に大きな負担とストレスがかかります。
レセプト業務を行うための資格は必要ありませんがスタッフ全員が介護保険制度に精通しているわけではなく、知識や経験もそれぞれであるため、おのずとレセプト業務を担当するスタッフは固定化されてしまいます。
レセプト業務は事業収入に大きな影響を与えるので、担当者の急な退職等によって業務が滞るようなことがあってはいけません。
事務業務の負担軽減とリスク管理の点から、利用者サービスという本来業務以外の事務業務全般を外部に委託するという選択肢があります。
雲紙舎ケアサポートでは、介護事業所の事務業務の負担軽減を目的にレセプト業務の代行サービスを行っています。代行サービスは、事務員を採用し教育するのに比べ、効率よく業務を改善できるのが特徴です。もしもの時の頼もしい味方になることでしょう。ご興味のある方は是非一度代行サービスの活用をご検討ください。
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デイサービス(通所介護)、訪問介護・訪問看護、特別養護老人ホーム、グループホームなど
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