介護保険の「月遅れ請求」とは?月遅れになる理由を解説
提供したサービスにおける介護給付費の請求は翌月10日までが期日であることを皆さんはご存知だと思います。
実施したサービスにおける支払いを受けるには、全ての事業者が期日までに請求の手続きを終える必要がありますが、なかには何らかの理由で請求ができないこともあります。もし間に合わなかったらどうなるのでしょうか。期日を過ぎていても請求はできるのでしょうか?
介護保険では当該月の期日までに請求ができなくてもそれ以降の月に国保連へ請求すれば支払いを受けることができる月遅れ請求という方法があります。
今回は、介護給付費の請求における月遅れ請求と、これに関連する馴染みのないいくつもの用語を整理しながら、月遅れになる理由とその仕組みについて詳しく解説します。
「月遅れ請求」とよく似た言葉を整理しておこう
介護保険における請求・支払いに関連した用語には、実務経験があまりない方にとって馴染みがなくなんだか難しそうな用語がいくつかあります。
請求業務を担当される方にぜひ知っておいていただきたい用語をいくつかピックアップして解説します。
│月遅れ請求
通常、介護サービスを提供した月の翌月10日までを期限に国保連に請求します。
しかし、月の途中で区分変更の申請があったり、更新手続きが間に合わなかったりと、何らかの理由で期日までに請求できない場合があります。
その場合、月遅れ請求として翌々月以降に請求します。例えば、9月分の実績を10月10日までに請求する際に、それ以前の7月や8月分を請求するのが月遅れ請求です。つまり、当該月から遅れたものはすべて月遅れとして処理します。
│過誤
請求を済まして、支払いが確定した後に内容の誤りに気が付いた場合に対して、いったん請求する前の状態に戻すことを過誤(過誤申請)といいます。
誤りが判明した際には、市町村に対して給付明細書の取り下げ依頼を行い、それが認められたら再度修正したものを請求します。
請求受付が締め切られた後の審査月途中での取り下げはできないので注意して下さい。あくまでも審査が確定し、審査結果を確認した後に行うのが過誤処理手続きとなります。
│保留
サービス事業所が提出した給付明細書とケアマネジャーが作成した給付管理票の突合審査が何らかの理由によって行えなかった場合に国保連で審査保留(原則1か月)となります。保留状態にある場合、介護報酬の支払いは行われません。
保留となる原因は、ケアマネジャーから本来提出されるはずの給付管理票が未提出である場合や提出した給付管理票が返戻となっている場合などが考えられます。
サービス事業所では、担当ケアマネジャーに給付管理票の提出有無の確認や提出依頼が必要となります。サービス事業所は請求明細書の再提出は必要ありません。
│返戻
国保連に提出したものの記載内容の誤り、漏れ、受給者資格の不一致等があった場合、審査は通過できません。支払いが行われず、「返戻」として戻されてきます。返戻された場合は速やかにその原因となる誤りや不備等の修正を行い再請求します。
返戻の理由としては、受給者の介護保険番号、生年月日の誤り、要介護状態区分や認定有効期間の漏れがなどがあります。
月遅れ請求になる理由とは?
何らかの理由により当該月に請求が間に合わず、月遅れで請求することになってしまう場合があります。ここでは、月遅れ請求になる理由についていくつかご紹介します。
理由1│返戻で戻ってきた
請求・記載内容に不備等が見つかり返戻された場合は、次月以降、速やかに誤りや漏れ等を訂正し月遅れ請求(再請求)を行います。
理由2│新規でサービスを先行した
介護保険制度では、介護認定の結果が出る前から介護サービスを受けることができます。ただ、申請中は介護給付費等を請求できないこととなっているため、当該サービスを実施した月末まで、認定結果が判明しない場合は月遅れ請求となります。
理由3│変更申請をした
有効期間が残っていても心身の状況変化や疾病の発症リスクを抱える要介護者は、その時の状況に応じていつでも要介護状態の区分変更を申請することができるようになっています。区分変更の申請から審査、介護度の確定までは1か月程度かかると言われており、変更申請を行い、当該月末までに結果が判明しない場合は月遅れ請求となります。
理由4│更新の申請結果が間に合わない
利用者には通常2か月前までには、次回更新のお知らせが届きます。およそ1か月前に更新手続きを終えることができれば問題ありませんが、主治医意見書作成に時間を要したり、更新者が多すぎて審査会が間に合わず、申請結果が出ない場合などは月遅れ請求となります。
介護報酬請求の時効について
サービス事業所が介護報酬の支払いを受ける権利には2年間の時効があります。
時効起算日はサービスを提供した日の属する月の翌々々月の1日になります。例えば令和2年4月のサービス費は、令和2年7月1日より時効開始となり、2年経過した令和4年6月末が消滅日となります。
まとめ│再請求の手間を増やさないために
介護報酬の請求締め切りは毎月10日です。月末で締めた後の締め切り前10日間は、最も忙しい期間です。
返戻等があると再請求の手間が増えます。さらに、月遅れの請求となると支払いを受ける時期が通常よりも遅延し、資金繰りに影響があります。
様々な理由から当該月に請求できない場合もありますが、収益につなげる為のお金の請求であり、未請求のものについては、そのままにせず速やかに請求する必要があります。ケアレスミス等の返戻はなるべく避け、誤りや漏れ等がなく請求することは非常に大切です。
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